今回は今すぐ映画を観たくなる本の紹介です。
シネマ 4の字固めが提供するPodcast「映画批評Podcast」を書籍化したもので、映画好きの構成作家とディレクターのお二人がオススメの映画と、自分がその映画にどう影響を受けたのかについて独自の視点でコメントしている本です。
結構個人的な偏った意見が多いかもしれませんが、自分の過去の体験、コンプレックスを元に映画を解説してくれる点が面白くて、一気に読んじゃいました
例えば、映画「アマデウス」の解説で主人公サリエルが才能あるモーツァルトに対して抱くコンプレックスを、鳥山明先生に影響を受けて絵を書き始めた自分と同じだと捉え、自分より絵が上手な友人に負けを認めて漫画家になるのを断念したエピソードを紹介しているくだりは面白かったです。
僕も同じく漫画家を目指していて、同じようなことで挫折を経験したことがあります。
もちろんそこに共感したというのもありますが、こういうエピソードを映画に絡めて書いてあるのを読んで、「あ、映画ってそういう観点で見ると、自分化できて面白いかも」という気づきを与えてもらいました。
フルメタルジャケットの解説では、スタンリーキューブリックの映像の魅力を、「このシーンのこういう撮り方が良かった」とか、「この映像はこういう意図で撮られている」等の解説を聞いていると、とてもそのシーンを確認するために映画を観たくなります。
自分の生き方に映画は大きな影響を与えている
この本を読んでいて思ったのは、子供の頃に観ていた映画ってもしかしたら自分の性格や生き方、物の考え方に深く影響してるのかもっていうこと。
例えば僕の場合、昔どんな映画が好きだったかなと思い出してみると、中学生の時にみた、『天空の城ラピュタ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』あとはどれというベストがあるわけではないんですが、ジャッキー・チェン主演の映画全般でした。
ラピュタはジブリが好きになったきっかけになった作品ではあるのですが、それ以上に、ファンタジーが好きになったり、冒険することのワクワク感を教えてくれた気がします。
その影響だけではないと思いますが、中学生の時はマンガやアニメの冒険モノは好きでしたし、高校になってもファンタジー小説にハマっていました。
本書のタカノさんと同様の意見なのですが、僕も中学生の時に観たラピュタが、今でも自分の子供っぽさに影響している気がします。
同じく、高校では空手に興味を持って3年間部活に励んだんですが、これもジャッキーチェンの影響が少なからずあったと思います。
映画をもっとたくさん観たくなった
この本を読んでいて、映画っていいなというのを再確認しました。
上述のように、自分の人生に影響をどう与えるかという観点だけじゃなくて、映像の勉強のためにどういう点に注目したら良いのかのヒントもありましたし、何より著者2人が本当に楽しそうに映画を語っているので、まだ観ていたない作品を観てみたいと思わせてくれます。
もちろん、僕が観たことのある映画もあったんですが、本書に書かれている面白そうなシーンを、もう一度どんなのだったか観てみたいとも思わせてくれる本でした。
著者のブログやPodcastでも最新映画の批評が聞けますのでこっちもチェックしてみようと思います
ネタバレ系が多くて未見の映画だと危険ですが(^_^;)